板長の独り言

ごぼうの茶碗蒸し

旬は初冬、新牛蒡は初夏となります冬の食材ですが、何となく土の芳香を(ほっこりした土の匂い)感じたく、牛蒡の茶碗蒸しを作ってみました。作り方は、いたって簡単。牛蒡を洗い皮を剥かず5センチ位に切り、唐揚げにして薄めの出し汁で炊くだけです。フォードプロセッサーに入れて硬さを見ながらペーストにします。茶碗蒸しをつくり、炊いた出汁で少しのばした牛蒡を掛けて出来上がり。今回は牛肉のそぼろをのせて、すき焼きの雰囲気を出してみました。インスタ映えはしないけど、滋味あふれる香りと味です。話はそれますが、牛蒡調理の新常識と言うのを見かけました。我々職人は、薄く皮をむき、細い千切りにして、水にさらしてアクを切りきんぴらごぼうを作ったものですが、またその細さを自慢にしたものです。しかし牛蒡の皮下2、3ミリにアクに含まれるポリフェノールや独特の香りが含まれるそうで、切る大きさも太い方が火の通りも変わらず、調味料が絡む表面積も減って減塩になるようです。
私達職人が料理のプロと言っても、いろんなことに目を向け勉強しないと本質を見誤ると言う一例です。見栄え、ビジュアルも大切な一つの構成要因ですが、食材の本質を見極め、美味しくて季節を感じ、体に優しい料理を目指したいものです。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP